自宅浪人に失敗した男の言い訳

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受験結果
センター試験自己採点    610点(現役時491点)
同志社大学文学部文化史学科 不合格(合格最低点 -12点)
慶應義塾大学文学部     不合格(点数開示は数カ月先になる模様)

 

浪人生活の総評

この一年は苦悩の連続であった。単に学習内容が理解できなくて苦悩しただけではない。行動力が伴わないまま完璧主義へ傾倒し、思い通りに努力が出来ないせいで極度の自己嫌悪に陥り、苦悩したのである。知らぬ間に自分の理想像は規格外に膨れ上がっており、理想の私と現実の私との差にただ絶望するのみであった。
 
宅浪を決めた当時は、この私に限って浪人生活が失敗するはずがないだろうと何の根拠もなく信じ込んでいた。しかし、実際はセンター試験も満足に解けず、私立は全落ちという、なんとも無残な結果に終わった。「俺はまだ本気を出していないだけだ」と自分に言い聞かせ、勉強から逃げ続けた結果、いつの間にか手遅れになっていたのだ。
 
自分は特別な存在であり、希望の大学に行く運命にあるのだという幼稚な幻想と、「勉強すること」すら出来ない無力感との狭間で身動きがとれなくなっていた。プライドを拗らせた低偏差値浪人の典型である。
 
もう半年もすれば私は二十歳だ。いい加減自分は特別な存在ではないのだということを理解しなければならない歳である。それなのに私のプライドがそうすることを頑なに拒んでいる。二度も受験に失敗しているのにも関わらず、いまだに少数派である宅浪の成功例になろうと意気込んでいる。私には大学受験しか見えていない。大学に合格することでしか自分を許すことができない。正気な人はきっと「一浪目でまともに勉強しなかった者が二浪すべきではない」と言うだろう。しかしそのような正論は、拗らせた浪人には通用しない。たとえ二浪がどれだけ愚かな選択であろうと、私はこの道を進むしかない。